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ココロプラス事務局より「言いたいのに言えない、苦しくて、かなしいとき」

更新日:2023年5月11日



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「ココロプラス・アカデミーで学ぶ世界の心の教育」ついてお伝えしていきます。


ココロプラス事務局&声かけアドバイザーMakiのホッと一息

第4週のテーマ「言いたいのに言えない、苦しくて、かなしいとき

今週は、「流星ワゴン」や「ビタミンF」で有名な重松清さんの「きよしこ」を題材に、声かけメソッドと共通する内容を科学的知見も交えながらお伝えいたします。

また、紺色の太字の部分は原書からの抜粋となります。


「きよしこ」 吃音でうまくしゃべれない男の子のお話です。小学校1年生のきよしは自己紹介のときも自分の名前(カ行が苦手)が言えず、クリスマスにほしいプレゼントも母親に言い出せません。


父親には「ちゃんとしゃべれんようじゃと、一生だめになってしまうけん..」(「きよしこ」の章p.24)と言われ、クリスマスには希望とは違うプレゼントに癇癪を起こしてしまいます。父親に叱られた少年は、「ごめんなさい」の「ゴ」が言えずに、また泣いた。

(p.29)

クリスマスイブの夜、きよしこという心の中の友達が遊びにきてくれます。

「君はだめになんかなってないよ」「君の話を聞かせて」(p.30)


きよしは学校のこと友だちのこと、話したいことを次から次へと話すことができます。楽しい。うれしい。すると、きよしこは、「かなしかった思い出を、3つ教えて」と訊いてきた。

 「デパートで迷子になったことがあるんだ」(p.32)

 「今日、すごくかなしかったんだ」(p.32)


 もう1つは、言葉がつっかえるようになった記憶。母親が妹の妊娠中に体調を崩し、きよしは祖父母の家に預けられました。そのとき、「おとうさんとおかあさんはどこにいるの?」と聞くことができなかった。その後、母親と再会できたとき、「ただいま」も言えなかった。「いまでも覚えてる。言いたいのに言えないって、すごく苦しくて、もう、泣きたいくらい苦しくて、おかあさんが目の前にいるのに、すごく遠くにいるみたいで、かなしくて、かなしくて..」(p.35)


 きよしこの声が遠くから聞こえる。

 「さっきの君の話、忘れてることがあるんだ、1つだけ」「君は『ただいま』を言えなかったけれど、そのかわりお母さんに抱きついて離れなかったんだ」「誰かになにかを伝えたいときは、そのひとに抱きついてから話せばいいんだ」(p.37)


 『子どもの心を強くするすごい声かけ』の著者で、ポジティブ教育専門家であるココロプラス代表の足立は「心の中の声が味方になって、逆境を乗り越えていける」といいます。逆にうまくいかないときに「自分はダメだ」と自分を責める声ばかりを聞いていたら、逆境を乗り越えることは難しいでしょう。足立は、「きよしこのように、自分の本当の気持ちに耳を傾け、うんうんと聞いてくれる。そんな心の中の存在が逆境を乗り越える力を与えてくれる」とも言っています。詳しくは、「子どもの心を強くするすごい声かけ」の中でも紹介しています。


 きよしは自分の辛い気持ちを、心の中の友達きよしこに話し、元気づける言葉をかけてもらい、傷ついた自分の心を癒しました。ご両親も終始、きよしの気持ちを考えながら、見守っていきます。


 きよしは、少しずつうまくしゃべれるようになった。そして、お話を書く仕事に就いた。

 きよしこは言っていた。「それがほんとうに伝えたいことだったら..伝わるよ、きっと」(p.253)


 生きづらい子のそばに寄り添ってくれるお話ですよね。心の友、きよしこのように私も長男に声をかけてあげたいと思いますが、なかなかうまくいかないときもあります。でも、それでも、子どもの心の中には豊かな世界が広がっているようです。


 「乗り換え案内」の章では、おしゃべりサマーセミナー(吃音矯正プログラム)で忘れられない友だち、加藤くんと出逢います。不器用すぎる2人の心が通じ合っていく下りでは号泣しました。お父さんの転勤で転校も多かったきよしのたくましい成長ぶりにもとても励まされるお話ですよ!

ココロプラス・アカデミーで学ぶ世界の心の教育

ココロプラス・アカデミーでは、世界中の知見に基づく非認知スキル(生きる力)を育てる方法をお伝えしています!科学的エビデンスに基づいているので、子どもへの関わりの幅が広がります! URL: 世界で活躍できる子どもを育てる声かけメソッド | ココロプラス・アカデミー (adachihiromi.wixsite.com)

【参考書籍】

足立啓美『子どもの心を強くするすごい声かけ』(主婦の友社,2021)


重松清『きよしこ』(新潮社,2002)

ココロプラス・アカデミー事務局 荒川まき

 学校が苦手な我が子の子育てで悩んでいたとき、足立さんの書籍「子どもの心を強くするすごい声かけ」に出逢いました。

 声かけを実践してみると、それまで気持ちが張り詰めていた長男が「心から安心した」という表情をしました。声かけを心がけて1年が過ぎましたが、私自身の心も少しずつポジティブに変わってきたと感じています。「すごい声かけ」は親子の心を確実に変えてくれます!

 2022年10月よりココロプラス・アカデミーの事務局を担当しております。ココロプラス・アカデミーを活用していただくと、世界基準の知見と心理教育に基づく声かけメソッドを、お母さんがお子さんに、自宅でいつでも実践することができます。これはとても画期的なことです!


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